2024年は《平和祈念像》で知られる彫刻家、北村西望(1884-1987)の「生誕140年」にあたります。作家の米寿を記念してつくられた「西望記念館」は島原城の一角にあり、その島原城もまた2024年に築城400年を迎えています。その記念すべき節目となる年に、日本を代表する彫刻家の生涯と功績を広く紹介します。東京都井の頭自然文化園彫刻園からは未公開の貴重なデッサン画を借り受けて、展示します。
来年2025年は、広島・長崎へ原爆が投下されてから80年となります。しかし今なお続く紛争の中で、世界は平和に遠く、核の脅威にさらされています。この現代に、平和のシンボルとして広く世界に知られる《平和祈念像》の作家誕生の地で、展覧会を開催することは平和活動の原点に立ち返ることでもあります。西望作品を通して、島原の素晴らしさを再確認すると同時に、あらためて「平和」について共に考える機会となることを願います。