


北村西望生誕140年イベント
北村西望の生誕140年を記念した様々なイベントが、
2024年の秋、(仮称)彫刻アトリエ館(東京都北区西ケ原1-16-7)を中心に開催されました。
同館は、昭和28年まで西望が暮らした自宅兼アトリエであり、
長崎の《平和祈念像》の構想をした歴史を持ちます。
今回は、新発見された《平和祈念像》の構想段階の「スクラップブック」と「雑記帳」を
各イベントにおいて初公開しました。
第1弾 「アトリエコンサート&見学会」
第2弾 「北村西望の区内彫刻をめぐるガイドツアー」
第3弾 「(仮称)彫刻アトリエ館公開見学会」
主催/公益財団法人北区文化振興財団



北区のアーティストバンクにも登録されている、チェロ奏者の
田上史奈さんを迎えて、平和コンサートを開催しました。
数多くの西望作品に囲まれながら、音楽と美術の競演を楽しみ、参加者たちは当時の制作風景に思いを馳せていました。
コンサート後の見学会では、貴重な新発見資料の「スクラップ
ブック」や「雑記帳」を通じて、新たに明らかになった西望の
芸術観や、平和への想いが紹介されました。


北村西望研究者である土方浦歌さんの、専門家ならではのガイ
ドを受けながら、参加者の皆さんと (仮称)彫刻アトリエ館から、北とぴあの間に点在する西望の屋外彫刻や、ゆかりの地を巡り
ました。
出発地では、新発見資料の最新の解説を受けるという貴重な体
験からスタート。北区における西望の足跡を辿りながら、西望
と各地の関係性やそれぞれの作品の特徴、作品に込められた思
いなどの解説を受け、西望の平和への想いを改めて感じた参加
者の皆さんは、満足そうな様子でした。
参加した区内在住の女性は「北とぴあ前に、長崎と同じ《平和
祈念像》がある事は知っていましたが、北村西望先生が北区で様々な彫刻を制作したことを含め、ご本人のことを知る機会が
ありませんでした。今回改めて、西望先生の想いだとか感じた
ことを彫刻に込めて、世界に発表されていたことを知る事がで
きて、とても勉強になりました」と話してくださいました。



(仮称)彫刻アトリエ館では、年に1度の館の公開に合わせ、特別展「北区における西望の足跡と《平和祈念像》の構想」を開催しました。
北区文化振興財団のスタッフによる作品の解説とともに、
アトリエ内外にある西望と息子・治禧の作品をゆっくりと
見学いただきました。貴重な新発見資料も、皆さん大きな
関心を持って、じっくりとご覧いただきました。
特別回として、ご遺族の方のお話を交えての回と、渋谷区
立松濤美術館の学芸員・野城今日子さんによる特別講座も
開催。いずれも西望の人柄や、作品に込められた平和への
思いを感じる貴重な時間となりました。

